一眼レフカメラの使い方に関する質問をツイッターで募集し、スポーツカメラマンの兼子愼一郎さんに話を聞きました。
構成=大西 徹
――「ゴールネット越しに撮るとなかなかピントが合いません。コツがあれば教えてください」というご質問が届いています。
「僕はピントがゴールネットに合ってしまったらAF(オートフォーカス)のボタンを押し直しています。ゴールキーパーはフィールドプレーヤーほど移動する範囲が広くないので、AFの設定は、動いている被写体に対してピントを合わせ続ける『AIサーボAF』ではなくて、止まっている被写体の撮影に適している『ワンショットAF』にしてみてはいかがでしょうか。『ワンショットAF』でシャッターを半押しすると1回だけピント合わせを行います。絞りを8とか11にして、『ワンショットAF』でピントを合わせて、何度か試してピントが合ったらホールドしてフレーミングを変えてみましょう」
――続いて、「選手を撮る際にピントをどこに合わせていますか? 設定はどうしていますか?」というご質問をいただきました。
「これは、どれくらいの大きさで選手を撮るかによって変わってきますね。僕らは一点AFで撮っていて、顔にピンポイントで合わせられるんですけど、大きさによっては変なフレーミングになる場合があります。選手の下が妙に空いたり、変な切れ方をしたり。ピントはなるべく顔に合わせたいけど、一点AFのポイントとフレーミングの兼ね合いで合わせられないときもあります。ご質問の答えとしては『なるべく顔に合わせている』ということになりますね」
――この方は「Canon EOS 7D Mark II」を使用しているそうです。
「『7D Mark II』であれば『AIサーボAF特性』の設定を試してみてはいかがでしょうか。『AIサーボAF特性』は、撮影する被写体やシーンに合わせてケースを選んでAIサーボAF撮影を簡単にできる機能です。例えば、『障害物が入るとき』や『急に現れた被写体に素早くピントを合わせたいとき』などのケースを設定できます。あとは、『AFマイクロアジャストメント』の設定もいいと思います。『AFマイクロアジャストメント』はピントの合う位置を前方や後方に微調整できる機能です」
――続いて、「失敗しそうで設定をなかなかいじれません。暗いと失敗しそうで、明るくなりすぎている気がしています」というお悩みが届いています。
「もしどの写真も同じように明るくなっているのであれば、露出補正がプラスになっているのかなという気がします。元に戻すのを忘れたか、別の操作をしていたつもりが動かしてしまったか。後から補正することを考えると、写真は少し暗めでもいいと思います。明るすぎると後から補正しづらいけど、少し暗めの写真であれば後からでも補正はしやすいです。まずは露出補正を確認してみましょう」■