ネット越しの撮影でピントが合わなかったり、写真が明るすぎて白飛びしたりして悩んでいませんか?
一眼カメラでピントを正確に合わせるコツは、被写体や状況に合わせたAFモードの切り替えと適切な露出補正にあります。
本記事では、プロカメラマンの兼子愼一郎氏へのインタビューを通じて、ネット越し撮影の裏ワザやピント・露出の調整法を解説します。
読むことでピンボケを防ぎ、狙った瞬間を思い通りに残せるようになります。
構成=大西 徹
【結論】ピントの合わせ方と露出設定のポイント早見表
まずは、ネット越し撮影や一眼カメラのピント合わせ、露出設定のポイントを一覧表でご紹介します。
| 撮影シーン・悩み | おすすめの設定・対処法 |
| ネット越しの撮影 | 「ワンショットAF」でピントを固定。絞り(F8〜F11)を絞り、ピントをホールドして構図を調整 |
| 選手のピント合わせ | 基本は「一点AF」で顔を狙う。構図との兼ね合いに応じてポイントを調整 |
| 動きや障害物の対応 | カメラの「AIサーボAF特性(ケース設定)」を活用してピントの追従性を変更 |
| 前ピン・後ピンのズレ | 「AFマイクロアジャストメント」機能でレンズと本体のピント位置を微調整 |
| 写真が明るすぎる | 露出補正がプラスになっていないか確認。後から補正しやすいよう「少し暗め」に設定 |
ネット越し撮影でピントを合わせるコツとAFモードの使い分け
スポーツ会場などのネット越し撮影でピントを合わせる方法について、スポーツカメラマンの兼子愼一郎さんにお話を伺いました。
――「ゴールネット越しに撮るとなかなかピントが合いません。コツがあれば教えてください」というご質問が届いています。
「僕はピントがゴールネットに合ってしまったらAF(オートフォーカス)のボタンを押し直しています。ゴールキーパーはフィールドプレーヤーほど移動する範囲が広くないので、AFの設定は、動いている被写体に対してピントを合わせ続ける『AIサーボAF』ではなくて、止まっている被写体の撮影に適している『ワンショットAF』にしてみてはいかがでしょうか。『ワンショットAF』でシャッターを半押しすると1回だけピント合わせを行います。絞りを8とか11にして、『ワンショットAF』でピントを合わせて、何度か試してピントが合ったらホールドしてフレーミングを変えてみましょう」
――続いて、「選手を撮る際にピントをどこに合わせていますか? 設定はどうしていますか?」というご質問をいただきました。
「これは、どれくらいの大きさで選手を撮るかによって変わってきますね。僕らは一点AFで撮っていて、顔にピンポイントで合わせられるんですけど、大きさによっては変なフレーミングになる場合があります。選手の下が妙に空いたり、変な切れ方をしたり。ピントはなるべく顔に合わせたいけど、一点AFのポイントとフレーミングの兼ね合いで合わせられないときもあります。ご質問の答えとしては『なるべく顔に合わせている』ということになりますね」
――この方は「Canon EOS 7D Mark II」を使用しているそうです。
「『7D Mark II』であれば『AIサーボAF特性』の設定を試してみてはいかがでしょうか。『AIサーボAF特性』は、撮影する被写体やシーンに合わせてケースを選んでAIサーボAF撮影を簡単にできる機能です。例えば、『障害物が入るとき』や『急に現れた被写体に素早くピントを合わせたいとき』などのケースを設定できます。あとは、『AFマイクロアジャストメント』の設定もいいと思います。『AFマイクロアジャストメント』はピントの合う位置を前方や後方に微調整できる機能です」
――続いて、「失敗しそうで設定をなかなかいじれません。暗いと失敗しそうで、明るくなりすぎている気がしています」というお悩みが届いています。
「もしどの写真も同じように明るくなっているのであれば、露出補正がプラスになっているのかなという気がします。元に戻すのを忘れたか、別の操作をしていたつもりが動かしてしまったか。後から補正することを考えると、写真は少し暗めでもいいと思います。明るすぎると後から補正しづらいけど、少し暗めの写真であれば後からでも補正はしやすいです。まずは露出補正を確認してみましょう」■
動きの速い選手を確実に捉える予測撮影のやり方は『スポーツ写真の撮り方|プレー展開を予測するコツ』で解説しています。

AFモードとピント設定機能の比較一覧
| 機能名 | 主な用途・特徴 | おすすめの撮影シーン |
| ワンショットAF | 1回のみピントを固定する設定 | ゴールキーパーなど動きの少ない被写体・ネット越し撮影 |
| AIサーボAF | 動く被写体を追い続けピントを合わせる設定 | フィールドプレイヤーなど動きの激しいスポーツ撮影 |
| AIサーボAF特性 | 障害物や被写体の動きに合わせて追従性を変更 | 他の選手やネットが遮る複雑な環境での撮影 |
| AFマイクロアジャストメント | レンズごとのピント精度を前後微調整 | しっかり合わせているのに微妙にピントがズレる場合 |
被写体の肌色を自然に見せるホワイトバランス調整は『ホワイトバランスの設定方法と画質設定』を参考にしてください。

まとめ:正しいピント合わせと露出設定で思い通りの写真を撮ろう
一眼カメラでブレのない美しい写真を撮るには、ネット越しなどの撮影環境に応じた「AFモードの選定」と、狙った位置にピンポイントで合わせる「ピント設定」が重要です。また、失敗を防ぐために露出補正を確認し、あえて少し暗めで撮影しておくこともプロの知恵です。
「ネット越しの撮影でピントが合わない」「写真が明るすぎてうまく撮れない」とお悩みの方は、ぜひ今回ご紹介したAF設定や露出補正を試してみてください。カメラの設定方法や撮影テクニックに関するご質問・ご相談は、当サイトのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
