一眼カメラで撮影した写真を見返すと、手ブレでボケていてがっかりした経験はありませんか?
一眼カメラの「スタビライザー(手ブレ補正機能)」を正しく設定すれば、手ブレを大幅に抑えた鮮明な写真が撮影できます。
本記事では、プロカメラマンの兼子愼一郎氏へのインタビューを通じて、スタビライザーの基本機能やON/OFFの設定方法、プロが実践する手ブレ防止のコツを分かりやすく解説します。
構成=大西 徹
【結論】一眼カメラのスタビライザー・手ブレ対策早見表
まずは、一眼カメラのスタビライザー機能と手ブレ対策のポイントを一覧表でご紹介します。
| 項目 | 概要・設定のポイント |
| スタビライザーとは | カメラやレンズに搭載された「手ブレ補正機能」のこと(Canonでの呼称) |
| ON/OFFの設定 | 基本は「ON」に設定。レンズ側面のスイッチ、またはカメラのメニュー画面から変更 |
| ブレ防止の基本 | 被写体が動いていても止まっていても、撮影者自身がブレない姿勢を意識する |
| 手ブレ対策(機材) | 機材を最新・上位モデルへ更新(アップグレード)すると即効性がある |
| 手ブレ対策(技術) | 取扱説明書で隠れた便利機能を確認する。あえて単焦点レンズを使い技術を磨く |
一眼カメラのスタビライザー(手ブレ補正)とは? 基本機能とオンオフ設定
一眼カメラで手ブレを防ぐための重要機能「スタビライザー」について、スポーツカメラマンの兼子愼一郎さんにお話を伺いました。
――今回はピントの合わせ方に関する質問がかなり多かったんですが、その前に兼子さんに質問したいことがあります。
「なんでしょう?」
――先日、ファインダーを覗いているときに、自分の体や手元が不安定でカメラが動いていることに気づいたんです。兼子さんはそうならないように何か意識はしていますか?
「被写体が動いているときも止まっているときも、自分が動いたらブレてしまうから、気を付けるようにしています。カメラマンにもよるけど、僕は手ブレ補正の機能をオンにしていますね。どの程度の効果があるかは分からないけど、後からがっかりするよりはいいので」
――そうなんですね。
「以前は手ブレ補正をオンにしてファインダーを覗くと、被写体が『もわーん』と動くのでオフにするカメラマンが多かったんです。最近はそれを防ぐ設定もできるので手ブレ補正はオンにしたほうがいいと思います。だいたいレンズのほうにスイッチがあるんだけど、メーカーはどこですか?」
――Canonです。
「じゃあレンズに『スタビライザー』っていう文字がないですか?」
――ありました。印字されています。
「それをオンにしたほうがいいですね」
――スイッチがないです。
「スイッチがない? そのボディだと画面で設定するのかな。Canonの公式サイトを見れば分かるけど、一つずつ調べていたら時間がなくなりそうですね……。それで思い出しました。試してみたいことやうまくいかないことが出てきたら、説明書の目次を見るといいと思います。その中に意外と発見がありますよ」
――なるほど。
「もともとカメラに詳しい方は別だけど、あまり詳しくなくて説明書をそんなに読んでいない方であれば、かなり効果があると思います。ただ、隅から隅まで読むのはけっこう面倒なので、気になったことや改善したいことが出てきたときに見ると、『こんな機能があったのか』と気づくでしょうね」
――手元に置いておきます。
「あと、皆さんに聞いてみたいことがあるんですよね」
――なんでしょう?
「皆さん、いい写真を撮りたいと思ってこの記事を読んでくださっていると思います」
――そうですね。
「その中でも、いい写真を“手っ取り早く”撮りたいのか、 “時間をかけて”技術を上げていい写真を撮りたいのか、どちらでしょうか」
――といいますと?
「いい写真を撮る“手っ取り早い”方法は、機材をアップグレードすることです。機材を変えるだけで良くなる部分はすごく多いから。すでにそれなりの機材を持っているハイアマチュアの方は少し変わってきますけど。金銭面で少し余裕のある初心者の方も中にはいらっしゃるかもしれないから」
――そうですね。
「今使っている古い機材を同じ価格帯の新しいものにするだけでも写真は変わります。カメラの性能は日々進化しているので、アップグレードすれば手っ取り早く効果を出せるでしょうね。ただ、決して安い買い物ではないので、もし余裕があるなら一つの方法として考えてもいいと思います」
――なるほど。
「そうではなくて、“時間をかけて”技術を磨きたいのであれば、また話は違ってきます。僕が写真を勉強していた若い頃、うまくなりたいならズームレンズは使うなとよく言われました」
――それはスポーツを撮るときですか?
「スポーツに限らず。今でも写真学校ではそう教わると思います。これは写真に限らないことですけど、何かが便利になると、僕らがそれだけ楽をして技術を磨けなくなるんですよね。例えば、計算をするときに電卓を使っていると、暗算の能力はどんどん衰えていきます。でも、電卓を使わなければ、暗算の能力は衰えません。写真も同じで、たとえ機材をアップグレードできなくても、撮る技術を上げることはできると思います」■
背景を美しくぼかせる単焦点レンズの選び方については『【明るいレンズ】カメラの背景ぼかしテクニック』で詳しく解説しています。

手ブレ補正(スタビライザー)設定方法の比較
| 搭載場所 | 切り替え方法 | 特徴 |
| レンズ側面のスイッチ | 「ON / OFF」の物理スイッチを操作 | 直感的に素早く切り替えが可能 |
| カメラ本体のメニュー画面 | 液晶画面の「手ブレ補正」項目から設定 | レンズにスイッチがない場合やボディ内手ブレ補正で採用 |
手持ちでの手ブレを抑えるもう一つの機材『一脚』の選び方は『カメラの一脚の使い方とブレない構え方』をご覧ください。

まとめ:スタビライザーを活用して一眼カメラでブレのない写真を撮ろう
一眼カメラでブレのない綺麗な写真を撮るためには、レンズやカメラ本体の「スタビライザー(手ブレ補正機能)」を正しくONに設定することが第一歩です。また、機材のステップアップを検討したり、取扱説明書の目次を活用して隠れた便利機能を探したりすることも上達への近道となります。
「手ブレに悩んでいる」「もっと鮮明な写真を撮影したい」という方は、ぜひお持ちのカメラの設定を見直し、撮影技術の向上に取り組んでみてください。カメラの設定や撮影機材に関するご相談・お問い合わせは、当サイトのフォームよりお気軽にご連絡ください。
