遠くにいる被写体をきれいに撮影したいのに、色味が自然にならなかったり画質が荒れたりして悩んでいませんか?
一眼カメラでイメージ通りの写真を撮る結論は、最高画質設定とホワイトバランスの正しい手動調整にあります。
この記事を読むことで、昼夜や環境に左右されず、被写体の本来の色や表情をくっきり鮮明に残すプロの撮影設定が学べます。
構成=大西 徹
【結論】ホワイトバランス設定と綺麗な撮影のポイント早見表
まずは、遠くの被写体をきれいに撮影するための設定やホワイトバランス調整のポイントを一覧表でご紹介します。
| 項目 | 設定・調整のポイント |
| ホワイトバランス設定 | 芝生などの色に引っ張られないよう「オート」を避け、肌の色が自然に見える設定へ調整 |
| 遠くの被写体の撮影 | 最も高い記録画質に設定し、トリミング前提でブレを防いで撮影 |
| 画質と感度のバランス | ノイズ防止のため感度(ISO)を上げすぎず、ブレない範囲でシャッタースピードを調整 |
| 昼夜・撮影環境の変化 | スポーツモード等の自動設定に頼らず、時間帯や太陽の角度に応じて都度手動調整 |
| 最前列での撮影工夫 | 被写体が手前の障害物に遮られないタイミングを狙い、後からトリミング活用 |
遠くの被写体をきれいに撮る設定とホワイトバランスの調整方法
スポーツカメラマンの兼子愼一郎さんに、遠くの選手をきれいに撮影するための設定やホワイトバランスの基礎についてお話を伺いました。
――今回ありがたいことに一眼レフカメラの使い方や撮り方に関するご質問をたくさんいただきました。
「ありがとうございます」
――最初のご質問です。「遠くにいる選手の表情をきれいに撮る方法を知りたい」というお便りが届いています。
「まず、きれいに撮れない原因が、ブレてるからなのか、感度を上げすぎているからなのか、ピントが合ってないからなのか、ホワイトバランスがうまく決まらないからなのか。写真の元データを見ればだいたい分かると思います」
――原因を推測できるんですね。
「そうですね。この方のレンズは『SIGMA 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM』で、ナイターでは少し暗いと思います。シャッタースピードを上げると感度も上がって、きれいにはならないかもしれません。ただ、感度を上げないと、絞りは開けないのでシャッタースピードが遅くなってブレる可能性が出てきます」
――そうなんですね。
「遠くにいる選手の表情を撮ってトリミングするのであれば、まずは最も高い記録画質に設定することですね。あとは、もしPhotoshopを使えるならJPEGではなくてRAWで撮る方法もあります」
――兼子さんはRAWで撮っているんですか?
「いえ、JPEGで撮っています。レタッチすることを考えたらRAWのほうがいいですけど、僕らはスタジアムからデータを送るのでJPEGにしています。RAWとJPEGはどちらでも問題ないですし、まずは最も高い記録画質に設定して、画質が荒れないように感度を下げて、シャッタースピードも下げてブレないように撮影してみましょう。被写体が遠くにいればブレにくいので試してみてはいかがでしょうか」
――続いて、「プロの方はスポーツモードを使っていますか?」というご質問をいただきました。
「スポーツモードは使ってないですね」
――普段使っているカメラにスポーツモードはあるんですか?
「調べてみましょうか」
――「SCN」という文字はダイヤルにないでしょうか?
「僕が使っているボディにはダイヤルがないですね。スポーツモードのようなシーンに合った撮影モードも僕のカメラにはないんです」
――そうなんですね。もう一つ、「昼と夜、時間によって設定の違いは?」というご質問も届いています。
「シャッタースピード、絞り、感度、ホワイトバランス、全部その都度、時間帯によって調整していて、撮影する場所や太陽の角度によっても変えていますね。設定の組み合わせは無限大でケース・バイ・ケース。撮影目的によっても設定を変えています」
――そうでしたか。
「普段スポーツモードを使っている方が昼と夜で設定を変えるとしたら、客席から撮るときにホワイトバランスを調整するといいかもしれません。『オートホワイトバランス』だと芝生の色に影響を受けやすいので、選手の肌の色が自然な感じになるように設定を変えてみるのがおすすめです」
――もう一つ、「スタジアムで最前列の席から撮る際の工夫などはありますか?」というご質問です。
「最前列の席だとそんなに高さはなくて、選手を撮るときに何かに遮られることもあると思います。そういうときは、写真をトリミングすることを前提に、選手が何かに遮られないタイミングを狙って撮ることを心掛けてみてはいかがでしょうか」■
手ブレによる画質劣化を防ぐスタビライザーの使い方は『スタビライザーで手ブレを防ぐ基本設定』でまとめています。

写真が綺麗に撮れない主な原因と対策一覧
| 原因 | 発生する現象 | 改善するための対策 |
| 手ブレ・被写体ブレ | 輪郭が全体的にぼやける | シャッタースピードを速くする / 一脚や手ブレ補正を使う |
| 高感度ノイズ | 画面全体がザラザラ・荒くなる | ISO感度を下げ、絞りを開けるか照明を活用する |
| ホワイトバランスのズレ | 写真全体が不自然な色味になる | オートホワイトバランス(AWB)をやめ手動で色温度を調整する |
| ピント外れ | 目的の被写体前後がくっきり写る | AFモードを見直し、連写やプレー予測を活用する |
体育館など屋内照明でのフリッカー対策や色温度調整は『カメラの背景ぼかしと室内撮影のプロ設定』でも深掘りしています。

まとめ:ホワイトバランスを設定して思い通りの写真を撮影しよう
一眼カメラで遠くの被写体やスポーツシーンを綺麗に撮影するには、最高画質に設定した上で、周囲の環境に惑わされない「ホワイトバランスの設定」を正しく行うことが大切です。オート機能だけに頼らず、昼夜や太陽の位置、背景の色に応じて手動調整することで、被写体本来の美しさを鮮明に残せるようになります。
「写真の色味がうまく決まらない」「くっきり綺麗な写真を残したい」とお悩みの方は、ぜひ今回ご紹介したホワイトバランスの調整法や撮影の工夫を試してみてください。カメラの設定方法や撮影機材に関するご相談・お問い合わせは、当サイトのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
